魚類

魚類は生活型で大きく分けられます。純淡水魚とは一生を淡水域で過ごすもの、通し回遊魚とは規則的に海域と淡水域の間を往復するもの、周縁性淡水魚 とは元来は海産魚であるが、河口汽水域で生活したり、一時的に淡水域に侵入する魚です。通し回遊魚は、回遊の仕方から降河回遊魚(海で生まれ、淡水域に遡 上して成長したのち産卵のために再び海を下るもののこと。)、遡河回遊魚(淡水域で生まれ、しばらくそこで過ごした後に海に下って成長し、産卵のために再 び淡水域に戻るもののこと。)、両側回遊魚(淡水域で生まれると直ちに海に下り、しばらくそこですごした後に、産卵とは無関係に再び川に遡上するもののこ と。)の3つに分けられます。

目的

どのような種類がその場をどのように利用しているか―――魚類相調査
特定の魚種がどのくらい生息しているか―――魚類調査

調査地点

基本的に事業対象地外に1~3地点、対象地内では必要に応じて複数地点を設ける。
河川であれば上流域、中流域、下流域、汽水域等を考慮し、ワンド、水生植物群落、干潟等のような特殊な環境のある所は、調査地点に加えることが必要です。
湖沼、ダム湖では湖央部、湖岸部、入江、流入水などです。

採集場所

流入部、川岸部、瀬・淵、水草帯・砂礫帯・転石帯、流心部、湧水等
一地点30~100m程度の範囲で採集します。

調査時期

原則として四季調査を行うのが望ましですが、魚類相を把握するには春から秋にかけて年2回程度でも十分です。

調査方法

  1. 魚群探知機による調査
  2. 水中目視観察調査
  3. 採集による調査

投網、タモ網、刺網などを用いて採集します。

魚卵、稚仔魚

魚卵には水面に浮く浮遊性卵と水に沈む沈降卵の2種類があり、これにより採集方法が異なります。仔魚とは卵から孵化後腹部にある卵黄から栄養を摂取しており、自分で餌を取ることが出来ません。稚魚とは魚類の発生段階ひとつで仔魚、稚魚、若魚、成魚の順に成長していきます。

目的

卵・稚仔魚から生産量、産卵区域を調べる

調査時期

調査対象魚種の産卵後

調査方法

1.丸稚ネットによる採集

浮 遊性卵と稚仔魚を対象とする。水面から1/3が出ている状態で丸稚ネットの水平曳き(2ノット)、またはノルパックネットを用いた鉛直曳きを行います。水 平曳きでは表層の魚卵や稚仔魚が採取でき、鉛直曳きでは低層から表層まですべての魚卵や稚仔魚が採取することが出来ます。中性ホルマリン10%を加え固定 します。

2.採泥器による採集

沈降卵を対象として採集します。採泥器を用いて行い、採集したサンプルは中性ホルマリン10%を加え固定します。

ソーティング

ソーティング 魚卵、稚仔魚とごみを分ける作業を行います。

魚卵が小さく透明で目視で観察しにくい場合は染色するなどして目視しやすくします。